晩白柚ルポルタージュ

熊本に住む33歳の日記です。 2019年5月までトロントでワーホリをしていました。一人旅、カレー、キャンプなどについて書いています。

熊本カレー探訪(7) THE LOCAL BURGER

晩白柚です。

カレー好きの晩白柚が熊本のカレー事情を追っていくこの企画。カレーを食べるのはだいたい熊本市内、とりわけ中心市街地が多かったりするのですが、今回は熊本市民にちょっと知られていなそうなお店をひとつ開拓しようということで、菊陽町まで足を運びました。

知られていなそうな、とか言っちゃいましたが、実際はあやうく売り切れになる寸前の人気店でしたよ。

というわけで菊陽町の「THE LOCAL BURGER」さんです。

 

THE LOCAL BURGER

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ザ・ローカルバーガー

菊陽町津久礼、菊陽バイパス沿いに「DESAKI」という文具店があります。文具店といってもその規模は大きく、豊富な品ぞろえの文房具、雑貨のほかにコスメやファッションまで扱われているのですが、そのデサキさんの建物の中にお店を構えていらっしゃるのがローカルバーガーさんです。

 

お店の名前のとおり、本来はバーガー屋さん。熊本の食材をふんだんに使った、すべて手作りで食べごたえあるボリューミーなバーガーを提供する、熊本のバーガー界にするどく斬り込んできた新鋭のお店です。

 

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おしゃれなカウンター

バーガー屋さんよろしく、カウンターで注文します。できあがった品物を席まで持ってきてもらえます。

 

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ハンバーガー(950円)

先にバーガーの写真をお見せしますと、こんな感じです。オーソドックスな「ハンバーガー」(950円)。晩白柚父が注文したものです。かなり大きいのがわかると思います。肉厚のパティを手作りのバンズで挟んだ、食べごたえじゅうぶんな一品。

 

ここまでバーガー屋さんバーガー屋さん連呼してきましたが、ローカルバーガーさんにはれっきとしたカレーの提供があるのです。それが1日10食限定の「チキンカレー」(900円)

1日10食しか用意されていないので、売り切れ必至です。10時開店のところを14時に訪問したので、あと1食しか残っていませんでした。いやはや、人気なんですね。バーガー屋さんといえどもあなどれない実力です。

 

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チキンカレー(900円)

そもそもなぜハンバーガー屋さんでカレーを?とお聞きしたところ、ハンバーガーを作る上でどうしても生まれる野菜の端材を、どうにか有効活用できないかと思案した末、それらをじっくり煮込んだカレーが生まれたとのこと。

質の高い熊本産の野菜をふんだんに煮込んだカレーですので、さほど辛さは感じません。そして口に含んだ瞬間頭に浮かぶのは「濃厚」の2文字。とにかく濃厚で、粘度の高さが特徴です。

チキンカレーのミソといえる鶏肉は、骨付きのもも肉が2個もごろりと横になっています。これもじっくりと煮込んであるからか、安直な表現ですがほろほろ。しっかりとした味がついています。

ローカルバーガーさんのハンバーガーはボリューミーで豪快ですが、カレーはどちらかというと上品なイメージですね。ハンバーガー屋さんのカレーというと、どうしても「片手間に作ってるんでしょ?」的な先入観を持たれかねないと思うのですが、それを払拭するほどの実力あるカレーでしたよ。

 

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インフォメーション

【住所】熊本県菊池郡菊陽町大字津久礼2648 デサキ内

【TEL】050-3717-8904

【ウェブサイト】https://thelocalburger.com/

【営業時間】10:00~19:00 水曜が定休日

 

2021年1月14日

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熊本カレー探訪(6) 修行カレー

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しゅ‐ぎょう〔‐ギヤウ〕【修行】
[名](スル)
1 悟りをめざして心身浄化を習い修めること。仏道に努めること。

2 托鉢 (たくはつ) ・巡礼して歩くこと。「全国を修行する」

3 学問や技芸を磨くため、努力して学ぶこと。「弓道を修行する」「武者修行」

-大辞泉より抜粋 

 

晩白柚です。

 

皆さん、修行してますか?

 

いやはや、日々自己研鑽に励んでいる方もいらっしゃるとは思いますけれども、いきなり「修行してますか?」なんて言われても、大半の方は修行という言葉に縁がないでしょう。

いったいなぜお店にこの名前がついているのか検討がつきませんし、お店のマスターにその意図を聞けばよかったのですが、詰めが甘いのが僕、晩白柚の性。

修行と聞くとどんな苦行を強いられるのかと息を呑みますが、ひとたび口にすれば悟りを開いて心身が浄化されるカレーを食べました。

 

というわけで今回訪れたのは、中央区黒髪「修行カレー」さんです。

 

修行カレー

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中央区黒髪の住宅街の中に位置する修行カレー。どうやら昔は別のお店だったものを改装したようで、見た感じは昭和の美容室のようなシルエットのお店です。

女性の先客が数人いらっしゃって、女性が入りやすい雰囲気。一方で、マスターが阪神ファンなのか、阪神タイガースのグッズがところどころに見られます。昭和の少年サンデーがディスプレイされていたり、頭に入ってくる情報量は多いです。

 

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日々変わるメニューは手書き。今日のお品書きはポークカレーとチキンカレーの2種でした。クロカミポークのクロカミとは、このお店が位置する黒髪のことですね。どちらも興味が湧いたので、あいがけをいただきます。

 

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左がクロカミポーク、右がジンジャーチキン。真ん中に副菜とパクチーが添えられています。パクチーは注文時にありなしを聞かれるので、なしにすることも可能です。

 

左のクロカミポークは、豚肉から出たうまみが口いっぱいに広がり、複雑なスパイスの味の連打と合わさって絶妙な風味を醸し出しています。右のジンジャーチキンは、鶏肉がごろごろと入っていて食べごたえじゅうぶん。ジンジャーチキンカレーというのはしょうがやねぎを使うカレーと聞いていますが、しょうがの香りは然程強くなかったように思います。

また、真ん中に添えられた副菜の存在感が大きいです。いっそカレーに混ぜてしまえば、俺はいったい何を食べているんだ!?と思うほどショッキングな食感と味の広がりを見せます。

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いずれも然程辛くはなくマイルドな味わいですが、ほかのカレーに比べてオイリーなので、胃がもたれてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかしパンチはじゅうぶんです。

 

この修業カレーさん、日によってはキーマやダルカレーもやっているそうなので、まだまだ可能性に満ちています。食にうるさい僕の父も「うまかった」と言っていたので、ぜひおすすめしたいカレーです。

 

インフォメーション 

【住所】熊本県熊本市中央区黒髪1-13-55

【営業時間】金曜~月曜日 11:30~15:00

 
2020年12月18日

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熊本カレー探訪(5) 養生カレー

晩白柚です。今年もよろしくお願いいたします。

 

コロナ禍の昨今、とりわけここ数日の感染者爆増の状況下においては、カレー屋さん巡りをすることすら憚られる憂鬱な日々ですが、こんな世の中だからこそひとつ体を休めて”養生”したい、そんな願いを叶えてくれるカレーに出会いました。

今回訪れたのは、熊本市中央区南千反畑町(みなみせんだんばたまち)は藤崎宮の目と鼻の先、「養生カレー」さんです。

 

養生カレー

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写真の真ん中にあるような、「養生カレー」と書かれた看板がそっと店先に佇んでいるだけなので、一見ではカレー屋さんだとわからないかもしれません。しかしお昼12時の開店直後だというのに、一気に満員になるほどのにぎわいを見せていましたよ。

 

店内には2人が座れるテーブル席が3つ、そしてカウンター席が4、5席ほど。壁にノンベジタリアンとベジタリアンのカレーメニューがラインナップされた黒板が掲げられ、インドのビールなどもディスプレイされています。お酒の提供もあるようです。

 

用意されているカレーは数種類ありますが、他のカレー屋さんとはあきらかに一線を画しているカレーたちです。スパイスから作っているのでスパイスカレーなんでしょうけれども、スパイスカレーというものをオーナーの独自解釈で構成させた、もはや「養生カレー」というジャンルです。

2018年に中央区大江の「インド食堂」で食べたカレー、それに近いものがあると思います。ガチインドカレーです。

 

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今回注文したのは、用意されているカレー全部のせ「スペシャルプレート」(1,600円)です。左から辛いイカカレー、冬野菜のサンバル、ほうれん草のダル、ゆずのラッサムの計4種。サンバル、ダル、ラッサムがベジタリアンカレーとなっています。

 

ところで、サンバル、ダル、ラッサムってどういうカレーをいうのでしょう?

・ダル:豆のカレー。ダルとは豆のこと。ムングダルやレンズ豆を煮込んだもの。

・サンバル:豆と、特に野菜を柔らかく煮込んだものをいう。南インドを代表する料理。

・ラッサム:トマトなどを使った、南インドでよく飲まれているスープ。

厳密には、サンバルやラッサムをカレーと呼ぶのは正しくないという声があります。日本においては一緒くたにベジタリアンカレーとして紹介されているようです。

 

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まずノンベジの辛いイカカレー、かなり辛いです。思わずごほっ!とむせてしまうほど辛い。辛いですが、辛さの奥に深いうまみを感じます。辛さに慣れてしまえば、我を忘れてなんども口に運んでしまうほど味わい深い、中毒性のあるカレーです。

そしてダル、サンバル、ラッサムのベジ3種。非常にやさしい味です。辛いイカカレーで一気に上昇した体温をおだやかに中和してくれます。個人的にベジタリアンカレーというのは然程好みではないですが、こういった具合に辛いカレーとの組み合わせだと光ってくると思います。

 

養生とは、生活に留意して健康の増進を図ること、あるいは病気の回復につとめることをいいます(大辞泉)が、文字どおり口にすればひとたびコロナウイルスさえぶっ飛ばしてしまえそうな、いやそれは言い過ぎにしても少し体が軽くなるようなカレー、それが養生カレーさんでした。

 

インフォメーション

【住所】熊本県熊本市中央区南千反畑町11-8

【TEL】080-6236-3635

【営業時間】12:00~15:00、18:00~21:00 日曜・月曜が定休日

 

2020年12月17日

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熊本カレー探訪(4) 欒時

こんにちは。晩白柚です。

カレーに関する記事を書いたのは一昨年3月が最後。カレー好きを標榜しながら、それからカレー屋さんを新規開拓することをおこたっておりました。

この晩白柚ルポルタージュを復活させるにあたり、カレー屋さん開拓もまた一から新たな気持ちで始めたいと思って、今回「欒時(らんどき)」さんにお邪魔しました。

 

diningspace 欒時 (ダイニングスペース・らんどき)

普段カレーを食べる時は熊本市内が多いのですが、この日たまたま南区の城南町で所用があり、ここまで来たならちと郊外まで出てみようということで、上益城郡甲佐町の欒時さんまで足を伸ばしました。

 

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 古民家を改装したようなたたずまい。店内には古めかしいオルガンや可愛らしい置物がディスプレイされていて、ハイカラでお洒落な空間を醸しています。

 

欒時さんが用意されているカレーは2種類。オーソドックスな欧風の「オリジナルカレー」と、甲佐産のニラを使った「グリーンクリームカレー」で、あいがけにすることもできるそうです。いずれも700円。

初めて来たカレー屋さんではベーシックなカレーを食べることにしていますが、どうしても「ニラを使ったカレー」というパワーワードが僕の食欲を掻き立てて仕方ありません。ここはひとつ二兎を追って二兎を得ようということで、あいがけを注文しました。

 

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 左がグリーンクリームカレー、右がオリジナルカレーになっています。オリジナルカレーは野菜の甘みが引き立っていて、その中に深いコクを感じます。小さい子にもおすすめできるカレーです。

そしてグリーンクリームカレー、これは説明が必要でしょう。今まで数多くのカレーを食べてきましたが、正直に言ってこんなカレーは初めて食べました。

ふつう「グリーンカレー」と言えばタイのカレーを想起しますが、こちらのカレーはタイのそれとはまったく別物です。ココナッツミルクではなく豆乳がふんだんに使われ、味わいが非常にマイルド。ニラの独特の風味と、大豆でしょうか、なにかわからないけどカリカリとした歯ごたえ、マイルドの中にあるピリッとした辛さがアクセントになって、斬新でオリジナルな「欒時ワールド」が手を広げています。

 

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とにもかくにも、この「欒時ワールド」を味わうために、一度は甲佐町まで足を運ぶ価値はあるでしょう。

 

インフォメーション

【住所】熊本県上益城郡甲佐町緑町17-3

【TEL】096-284-1523

【営業時間】11:30~18:00 日曜営業、木曜定休

 

2020年10月17日
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カレー探訪(3)おそろしいカレーたち

前回のカレー記事から1か月、開拓したカレー屋さんのストックが5つ貯まったので記事にします。

 

 

TAGO CURRY

2018年2月17日

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クラブ通りの雑居ビルの中にある非常に小さなお店。スパイスに魅せられたご主人が独自にブレンドした15種類のスパイスが奏でる香りのハーモニー、というのがウリのようです。初めて訪れたお店では必ずチキンカレーを食べると決めている僕ですが、この日はチキンカレーが売り切れてしまい、用意があるという牛すじ煮込みカレーを注文。

 

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牛すじはしっかりと煮込んであって、やわらかいです。チーズを溶かさずに固まったままトッピングしてあるのが斬新でした。ウリの割にスパイススパイスしたワイルドカレーではなく、さわやかな口当たりだったように思います。チキンカレーも食べてみたくなりました。

 

equipment:FLOOR

2018年3月11日

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上乃裏通りから入り組んだ路地に入ったところ、藤崎宮駅の近くにあります。内装はおしゃれな喫茶店。お客さんは女性ばかりで、少し場違いな空気にいたたまれなくなりました。

 

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しかしここのカレーはなかなか実力派です。一口食べて思わず新宿の草枕を思い出しました。すりおろした玉ねぎがふんだんに使われていて、スパイスのパンチとたまねぎの甘さがよくマッチしています。草枕風のカレーを熊本で食べるなら間違いなくここでしょう。

 

good time bar yomnom

2018年3月18日

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上通りの長崎書店の2階にオープンした昼からやってるバー。昼から飲みたい僕にとってはカレーが無くても通いたいお店です(医者から止められているので、極力飲みませんが、、)。気軽に入れる雰囲気なので、街で飲んだあと、もう1軒行きたい時なんかにふらりと寄りたいですね。

 

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チキンカレーとキーマカレーのあいがけをお願いしました。注文すると同時に、店員さんが冷蔵庫から昨日作ったカレーの残りの鍋を取り出したのを目撃してしまい、なにか複雑な気分になってしまいました。いや、カレーは一晩置いたほうが美味しいとは言いますが‥。

 

GANESHA

2018年3月21日

遠出して熊本市を離れ、合志町にあるインド料理屋さんへ。父と行きました。果たしてインドの方かはわかりませんが、そちら方面のアジア系の方がやっている典型的なインド料理屋です。結構な賑わいで、ほかのお客さんが注文していたタンドリーチキンなんてそそられるものがありました。

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父はバターチキンカレーを、僕はチキンサグカレーを注文。サグカレーというのはほうれん草のカレーですね。しかしほうれん草の青臭さというか独特の風味はまったくなく、生クリームが入っているのでしょうか、とてもマイルドでした。チキンにも下味がしっかりついていて美味しかったです。

 

BONGA

2018年3月24日

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熊本市役所の真裏です。「熊本でBONGAを知らないカレー好きはモグリ」という言葉を目にしたことがあります。本当かどうかは知りませんが、このお店もなかなかの実力店です。

 

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バターチキンカレーをいただきました。ここのバターチキンカレーにはこれでもかというほど生クリームが入っていて、口当たりはかなりまろやかです。それでいてスパイスがふんだんに使われているので、スパイシーでワイルドな面も持ち合わせているというおそろしいカレーです。たしかに、ここのカレーを知らない熊本のカレー好きはモグリといっても過言ではないかもしれません。

 

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